製造業ニュース 2026年04月20日17:37

V-Stainless Steel、南北ネットワークを構築し、全国的な加工・供給能力を強化

V-Stainless Steel、南北ネットワークを構築し、全国的な加工・供給能力を強化

V-Stainless Steel Co.,Ltd.

 

ベトナム南北二拠点体制を確立

全国で同等品質・短納期対応を実現

 

ステンレス鋼材の販売加工を手がけるV-Stainless Steelは、南部ドンナイ省の本社工場に加え、北部フンイエン省で建設を進めてきた新工場を2025年7月に完成させ、南北二拠点体制を確立した。南北を結ぶ週1回のトラック便を定期運行し、日系企業をはじめ政府機関やローカル企業まで幅広い需要に応える。さらに両工場には、最新鋭の圧延機や研磨機といった新型設備を順次導入していく計画だ。品質の均一化と安定供給を図りつつ、短納期対応とあわせて全国規模での顧客満足度向上を目指す。



北部工場にはレベラーと

レーザー切断機を導入

 

 レンタル倉庫から移転して新たに建設した北部の新工場は、首都ハノイの南東約20キロにあるフンイエン省イエンミー県のイエンミー2工業団地内に立地する。敷地面積はドンナイ本社と同じ1万平方メートルで、建屋面積は5,500平方メートル。その内部に、最新鋭のレベラー(矯正機)とレーザー切断機を順次導入していく。これにより、これまで外注に依存していた工程を自社内で完結できる体制へと転換し、供給可能な製品の幅も広がる。

 レベラーは、厚さ0.4~3.0ミリのステンレス薄板に対応可能な高性能機。コイル状のステンレス材を用途に応じて板材へと矯正・圧延し、精密機械や業務用機器の内部部品など、傷一つ許されない厳格な需要に応える。それでいてコストを抑え、納期を短縮できるのが強みで、内製化によって初めて実現する。2026年8月までに本格稼働を予定している。

一方、レーザー切断機は2025年11月の稼働開始を計画。厚さ50ミリ・長さ6.5メートル・幅2.5メートルまでの大判加工に対応できるのが特長で、ベトナム国内でも同水準の設備を備える企業は多くない。従来は外注に頼ってきた分野を取り込み、顧客に対して高品質な切断製品をタイムリーに提供する体制を築いた。

 

南部工場には薄板用研磨機と

新型の超硬丸鋸盤を導入

 

本社のある南部工場にも新型マシン2台を導入する。ドンナイ省のニョンチャック3工業団地内にある工場は、2022年4月に敷地を3,200平方メートルから4,500平方メートルへ拡張し、稼働を続けてきた。同社の自社生産拠点として基盤を固めてきたが、二拠点体制が整ったことで分業を進め、新規需要の開拓に挑む。

導入する一台目は、高精度な表面品質を実現する薄板用研磨機だ。産業が集積するホーチミン市を中心に、南部市場ではキッチンウエアや業務用厨房など装飾用途の需要が特に高い。光沢などの外観品質は製品価値を左右する要素であり、従来は素材購入後に顧客メーカーが自社で研磨を行うケースが多かった。今後は納品段階から高品位なステンレス材を提供できるようになり、新規顧客獲得への期待も高まる。2026年8月までに導入を予定している。

もう一台は、新技術を採用した超硬丸鋸盤だ。ステンレス材の切断時に発生する振動を瞬時に抑制し、高い寸法精度とスピードを兼ね備えた切断を可能にする。外観品質の向上と高精度加工を実現するだけでなく、これまで応えきれなかった潜在需要にも対応できる。2026年2月の本格稼働を計画している。

 

南北定期便の運行

 

南北二拠点に配置した新型マシンと、南部工場に既設のプラズマ切断機を効率的に組み合わせ、ベトナム全土で同等品質・短納期対応を実現する取り組みを始めている。その要となるのが、専用ルートを確保したトラックによる南北定期便だ。全長約1,700キロに及ぶ細長い国土では、北部と南部で市場の特性や顧客ニーズが大きく異なる。安定した輸送体制は欠かせない。これにより、北部工場で薄板製造を行い南部で研磨仕上げを施すなど、従来は自社単体では難しかった受注にも対応できるようになった。全国をカバーする体制が整い、営業活動にも弾みがつく。

ベトナムのステンレス需要は、コロナ禍からの回復と経済成長を背景に拡大が続く。同社の売上高は2024年に14億円強だったが、2025年には12%増の16億円強に達する見通しだ。販売重量も2,400トンから2,700トンへ増える。さらに5年後には売上高30億円、販売重量5,000トン体制の構築を目標に掲げる。

事業拡大の陣頭指揮を執るのが、2025年6月に就任した大村陽一朗ジェネラルディレクターだ。北部工場の本格稼働を機に、「これまで拾い切れていなかった新規需要をしっかり掘り起こしたい」と抱負を語る。新型機械の稼働を心待ちにする一人でもある。

ハノイとホーチミンという二大都市に拠点を置いた同社は、次なるターゲットを中部に定める。有望視するのは南北定期便の中継地にあたる中央直轄市ダナンだ。新型設備の導入を着実に進めつつ、三つ目の拠点づくりにも力を注ぐ。「ゆくゆくはベトナムを足がかりに、タイやシンガポールなど東南アジア市場にも販路を広げていきたい」と成長への意欲を示す。




※企業情報とロゴは2024年8月号(3p)流用

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